●製作総指揮:マーティ・エウィング 製作:ベン・スティラー、スチュアート・コーンフェルド、ジョッシュ・ジェイコブス 共同製作:コリン・オーライリー 監督:ウィル・スペック、ジョッシュ・ゴードン 脚本:ジェフ・コックス、クレイグ・コックス、ジョン・オルトシュラー、デイヴ・キンスキー 撮影:ステファン・チャプスキー プロダクションデザイン:スティーヴン・ラインウィーヴァー 衣装:ジュリー・ワイス
●出演:ウィル・フェレル、ジョン・ヘダー、エイミー・ポーラー、ウィル・アーネット、クレイグ・T・ネルソン、ジェナ・フィッシャー、ウィリアム・フィクトナー
●2007年/アメリカ/93分/2007年12月22日より日本公開
●配給:ギャガ・コミュニケーションズ
(C)2007 DREAMWORKS LLC, ALL RIGHTS RESERVED.
●出演:ウィル・フェレル、ジョン・ヘダー、エイミー・ポーラー、ウィル・アーネット、クレイグ・T・ネルソン、ジェナ・フィッシャー、ウィリアム・フィクトナー
●2007年/アメリカ/93分/2007年12月22日より日本公開
●配給:ギャガ・コミュニケーションズ
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お笑い界のトリプルアクセルといっても過言ではない
フィギュアスケートについての映画に、アイスホッケーのパックを二個投げ込んだら、どうなるだろうか? ウィル・フェレル、そしてジョン・ヘダー、ライバルであったはずの二人がコンビを組むという役で主演しているのが、そんな映画、『俺たちフィギュアスケーター』である。
ボディータイツ姿のフェレルに、プラチナブロンドの髪のヘダー、もう、ポスターを貼っただけでヒット間違いなし。こんなものを見たのは、 "The Mary Tyler Moore Show" 以来かもしれない。スラップスティックでゴツンと痛そうなジョーク、下品な股間ネタジョーク、そしてこれまた痛そうな股間ネタジョークが満載。そんなことを言っているうちに最後まで見てしまうウィル・スペック、ジョシュ・ゴードン共同監督のコメディ映画、これはもうお笑い界のトリプルアクセルといっても過言ではない。まあ、それにしても主人公たちは、転倒してばかりだが。
ボディータイツ姿のフェレルに、プラチナブロンドの髪のヘダー、もう、ポスターを貼っただけでヒット間違いなし。こんなものを見たのは、 "The Mary Tyler Moore Show" 以来かもしれない。スラップスティックでゴツンと痛そうなジョーク、下品な股間ネタジョーク、そしてこれまた痛そうな股間ネタジョークが満載。そんなことを言っているうちに最後まで見てしまうウィル・スペック、ジョシュ・ゴードン共同監督のコメディ映画、これはもうお笑い界のトリプルアクセルといっても過言ではない。まあ、それにしても主人公たちは、転倒してばかりだが。
何でもコメディにしてしまうフェレルの本領発揮
この現代社会において、ウィル・フェレルが黙って見逃す要素が果たしてあるのだろうか? あまたの職業を槍玉に挙げるフェレルは、この数年でクリスマス(『エルフ ~サンタの国からやってきた』)やテレビニュース(『俺たちニュースキャスター(日本劇場未公開)』)そしてNASCAR(『タラデガ・ナイト オーバルの狼(日本劇場未公開)』)を手玉に取り、半分だけ毛をそった熊なんじゃないかと思えるような身体で挑んできた。(この次は、 “Semi-Pro” という作品でNBAバスケットボールに挑んでしまおうという怪しいことを考えているらしい。)そして、今回、アイススケートという一見お上品な世界に殴り込みをかけ、歩く(滑る)自己欺瞞、世界で最も優雅なスポーツに紛れ込んだ木偶の坊を演じきり、フェレル、ますます本領発揮なのである。
フェレルの演じるのは、チャズ・マイケル・マイケルズ。リンクの悪童、脂ぎったセックスマシーン、亡くなる直前のジム・モリソンを思わせるような身体を駆使し、リンクにポールダンス用のポールがあったら、それだけでスケーターから即ストリッパーへの変身も完了と思わせる姿を見せる。彼のライバル、ジミー・マッケルロイ(ジョン・ヘダー)は、そんな彼とは正反対。ジミーは、スケート天才少年としてプロモーターのダレン・マッケルロイ(やたら愛想よく演じているのはウィリアム・フィクトナー)の養子となり、「スーパーウルトラ・スケーター」になるために育てられたのだ。そんな彼の滑りは、チャズにしてみると、女々しいばかりで鼻で笑うしかない代物。
フェレルの演じるのは、チャズ・マイケル・マイケルズ。リンクの悪童、脂ぎったセックスマシーン、亡くなる直前のジム・モリソンを思わせるような身体を駆使し、リンクにポールダンス用のポールがあったら、それだけでスケーターから即ストリッパーへの変身も完了と思わせる姿を見せる。彼のライバル、ジミー・マッケルロイ(ジョン・ヘダー)は、そんな彼とは正反対。ジミーは、スケート天才少年としてプロモーターのダレン・マッケルロイ(やたら愛想よく演じているのはウィリアム・フィクトナー)の養子となり、「スーパーウルトラ・スケーター」になるために育てられたのだ。そんな彼の滑りは、チャズにしてみると、女々しいばかりで鼻で笑うしかない代物。
犬猿の仲の二人が世界初の同性ペアスケーターに
そんな二人がパートナーになるのは自然の成り行き、なわけはなく、とんでもない一大事を起こしてしまってからというお決まりの進行。『ズーランダー』に触発されたようなポーズやスピン、キャメルスピンや後方ルッツを次々と決めていく二人は、ある(架空の)世界大会で同点金メダルとなる。その表彰台で、チャズとジミーは押し合い、小突きあい、ついには表彰台から転げ落ち、氷の上でレスリングまがいの乱闘を始め、観客たち(CGで何千人にも増やされている)を恐怖のどん底に突き落とす。それが原因で、ペギー・フレミング、ドロシー・ハミル、ブライアン・ボイターノ、そしてナンシー・ケリガンからなる委員会に、生涯追放の烙印を押されてしまう。
チャズはますます酒に溺れ、子供アイスショーの着ぐるみの中に戻してしまうほどの体たらく(冷凍庫に入れられたバッド・サンタという風情)。ジミーといえば、スケートショップの店員で生計を立てる。ほとんど忘れされられるか、もしくはスポーツアナウンサーにでもなろうかというとき、現れたコーチ(クレイグ・T・ネルソンが演じるだけに、いかにもという名前ではある)が、二人にある名案を授ける。彼ら二人は男子シングルの部から追放されている。これは確かだが、ペアの部から追放されたわけではない。その上、スケートのルールブックには、ペアを組むのは男女に限るとは書いていない。なので、国際大会に世界初の同性ペアとしてリンクに返り咲くというのはどうであろう? これは確かに名案である。
チャズはますます酒に溺れ、子供アイスショーの着ぐるみの中に戻してしまうほどの体たらく(冷凍庫に入れられたバッド・サンタという風情)。ジミーといえば、スケートショップの店員で生計を立てる。ほとんど忘れされられるか、もしくはスポーツアナウンサーにでもなろうかというとき、現れたコーチ(クレイグ・T・ネルソンが演じるだけに、いかにもという名前ではある)が、二人にある名案を授ける。彼ら二人は男子シングルの部から追放されている。これは確かだが、ペアの部から追放されたわけではない。その上、スケートのルールブックには、ペアを組むのは男女に限るとは書いていない。なので、国際大会に世界初の同性ペアとしてリンクに返り咲くというのはどうであろう? これは確かに名案である。
滑りを見るだけでもかなり笑わせてくれる出演者たち
そこに登場する対立相手——まったく、それまでの敵対関係じゃ、不十分とでも言うのだろうか——お茶目で極悪、いささか近親相姦のにおいを振りまく兄弟ペア、ストランツとフェアチャイルド・ヴァン・ウォルデンバーグ(実生活でも結婚しているウィル・アーネットとエイミー・ポーラーのペア)、現ペアスケート界のキング&クイーンである。フェアチャイルドは、氷の女王という称号を守るためなら、なんでもする女。ストランツは、ただ間抜けなので彼女の指示があれば、なんでもする男。その上、二人は妹のケイティ(ジェナ・フィッシャー)をいじめてばかり。この妹は本当にいい娘で、ジミーも、この子に恋をしてしまう。
フェレルもヘダーもいいのだが、強力な脇役陣抜きでは、『俺たちフィギャアスケーター』も、それほどまでと思わせるような高い興行収入は上げられないであろう。その上、この微妙に不恰好な特殊効果であるスケートの滑りなくしても、成功はなかっただろう。フェレル、ヘダー、ポーラー、アメットの滑りだけでも、実によく笑わせてくれる。スタントマンの滑りを、まるでサーシャ・コーエン(とてもおかしな役どころで、ちょっとだけ本人が顔を見せている)の滑りのように見せてくれるには、技術の手が入ったことは疑いないが、それでも、その四人の俳優たちと氷の間に、阿吽の呼吸があってこそ生まれてくる笑いであることも確かである。
フェレルもヘダーもいいのだが、強力な脇役陣抜きでは、『俺たちフィギャアスケーター』も、それほどまでと思わせるような高い興行収入は上げられないであろう。その上、この微妙に不恰好な特殊効果であるスケートの滑りなくしても、成功はなかっただろう。フェレル、ヘダー、ポーラー、アメットの滑りだけでも、実によく笑わせてくれる。スタントマンの滑りを、まるでサーシャ・コーエン(とてもおかしな役どころで、ちょっとだけ本人が顔を見せている)の滑りのように見せてくれるには、技術の手が入ったことは疑いないが、それでも、その四人の俳優たちと氷の間に、阿吽の呼吸があってこそ生まれてくる笑いであることも確かである。
企画プレゼンの段階でヒットは確実視 だが、あるのは笑いだけ
たったひとつ残念なのは、男性同士でペアを滑る様子を見るというばかばかしさにつきあう笑い、これは映画を通しての暗黙のギャグなのだが、観客によっては、これがただただ長く、はっきりとは言わないが明らかにゲイに対するジョークなのだと映ってしまうだろうということである——それは当たらずとも遠からずなので、やはり始末に悪い。
プロダクションの質は一級で、特にジュリー・ワイスによる衣装は、スケーターの衣装がもともと派手で仰々しいものであることの知識によく裏打ちされており、その点を突き抜けて、笑いが取れるレベルまでに達している。
繰り返しになってしまうが、ウィル・フェレルをフィギュアスケートの世界においてみる、というだけでも、企画プレゼンの会議室を出る前にヒットが決まったようなコンセプトであることは間違いがない。でも決して多くを期待してはいけない。得られるものは、笑いだけであることをお忘れなく。
プロダクションの質は一級で、特にジュリー・ワイスによる衣装は、スケーターの衣装がもともと派手で仰々しいものであることの知識によく裏打ちされており、その点を突き抜けて、笑いが取れるレベルまでに達している。
繰り返しになってしまうが、ウィル・フェレルをフィギュアスケートの世界においてみる、というだけでも、企画プレゼンの会議室を出る前にヒットが決まったようなコンセプトであることは間違いがない。でも決して多くを期待してはいけない。得られるものは、笑いだけであることをお忘れなく。

































