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『ハルク』が全米興行を席巻

2008/06/16
『インクレディブル・ハルク』主演のエドワード・ノートンとリヴ・タイラー
『インクレディブル・ハルク』主演のエドワード・ノートンとリヴ・タイラー
 米ユニバーサル・ピクチャーズとマーベル・スタジオの『インクレディブル・ハルク』が、公開週(13~15日)に5450万ドルを記録し、米国内興行成績(BOX OFFICE)のトップに立った。M・ナイト・シャマラン監督のR指定作品(17歳未満の観賞は保護者同伴)となる、米20世紀フォックスの『ハプニング』も、予想をくつがえす3050万ドルという好記録を出した。

 米国外では『ハプニング』が『~ハルク』をわずかに上回り、5714館で3210万ドルを記録。『~ハルク』は3165館とはるかに少ない上映館数ながらも、3100万ドルと健闘した。単体で見ていくと、『~ハルク』が多くの地域で勝利を収めている。

 『~ハルク』の国内上映館数は3505館。父の日の週末としては、昨年の『ファンタスティック・フォー 銀河の危機』の5800万ドルを抜く結果となっている。マーベルは、『アイアンマン』に続き、再びヒット作が生まれた。ユニバーサルとマーベルは、エドワード・ノートンを主演に据えて『~ハルク』のシリーズ化を狙っている。しかし今回の『~ハルク』は、2003年6月に公開されたアン・リー監督が手がけた『ハルク』の記録(6210万ドル)は、抜くまでには至っていない。

 全体的に見て、北米の興行成績は昨年より24%アップ。『~ハルク』と『ハプニング』の好成績が全体を助ける形になった。『ハプニング』は大方の予想に反し、3位発進と好スタート。マーク・ウォルバーグ主演のホラー・スリラーは2986館で公開され、高い数字を生み出した。

 シャマラン監督の前作『レディ・イン・ザ・ウォーター』は、06年のサマー・シーズンに興行的に失敗しているが、配給元のフォックスは『ハプニング』を強気に宣伝。13日の金曜日の“一大事”は本作だけだと触れ回り、見事に成功した。6月に公開されたR指定作品としては、昨年の『Knocked Up』(3070万ドル)に続き、歴代2位に入っている。

 米パラマウント・ピクチャーズとドリームワークス・アニメーションの『カンフー・パンダ』は、公開2週目で1億ドルを突破し2位に入った。前週から41%下降したものの、4136館で3430万ドルを記録し、累計を1億1180万ドルとした。

 ロバート・ダウニーJr.主演作の『アイアンマン』は、ついに3億ドルに王手をかけた。公開7週目で2億9740万ドルを記録し、前週比も31%ダウンにとどまっている。2403館で510万ドルを記録し、これまでと変わらない強さを見せている。『アイアンマン』と『インクレディブル・ハルク』は、ともにマーベルが企画展開、制作した作品だ。

 パラマウントの『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』も3億ドルに迫っている。3804館で1350万ドルを記録し、公開4週目で累計を2億7530万ドルとした。

 コメディ作品では、米ソニー・ピクチャーズのアダム・サンドラー主演作“You Don’t Mess With the Zohan”が4位にランク・イン。しかし公開週と比べて、下降率は上位10作品の中でもトップとなる57%ダウン。3466館で1640万ドルを記録し、公開10日間の累計を6880万ドルとしたが、若い男女の観客が『~ハルク』や『ハプニング』に流れたのが見て取れる。

 女性向けコメディ『セックス・アンド・ザ・シティ』は公開3週目で52%ダウンし、3155館で1350万ドルを記録。累計額を1億1980万ドルとした。

『ハプニング』
『ハプニング』
 『~ハルク』と『ハプニング』両作ともに、幅広い観客層をひきつけた。『~ハルク』に集まった観客の約6割は男性で、48%の観客が25歳以下だった。1館あたりの平均額は1万5560ドルで、観客層の男女比率がほぼ半数だった『ハプニング』は1万214ドルだった。『~ハルク』よりも若干若い世代が多く、52%が25歳以下だった。

 シリーズ作品を再活性化させるのは容易ではない。ユニバーサルとマーベルは、ルイ・レテリエ監督の新作『~ハルク』が、米ワーナー・ブラザースの『バットマン ビギンズ』(4870万ドル)より好記録で発進できたことを、良い兆しだと見ている。

 多くの人が『ハルク』の続編製作は時期尚早と懸念していたが、出口調査によれば『インクレディブル・ハルク』に足を運んだ82%の観客が、03年の『ハルク』も鑑賞済みだった。「マーベルは前作から多くのことを学びました。本作をすばらしいものに仕上げ、反対意見を黙らせたのです」と話したのは、ユニバーサルの米国内配給部長ニッキ・ロッコ。「宣伝チームに賞賛をおくらなくてはいけませんね」。

 アン・リー監督の『ハルク』は、最終的に国内だけで1億3200万ドルを記録。しかし、知性をひけらかし過ぎてしまっていると批判を浴びた。「この成功により、ハルク・シリーズは再復活しました」とマーべル・スタジオのデイヴィッド・マイセル会長は話す。「多くの可能性を秘めています。たくさんのキャラクターが絡んでいますからね」。

 マイセル会長が言うように、マーベルの強みは相互にリンクする複数のキャラクターだ。『~ハルク』の続編では、ダウニーJr.が『アイアンマン』で演じるトニー・スタークの出演もあるかもしれない。

 また、『ハプニング』のオープニング記録は、シャマラン監督にとって歴代3位の作品となった(1位は6010万ドルの『サイン』、2位は5070万ドルの『ヴィレッジ』)。「ナイトはいつも人々を魅了してくれる。そしてこの作品は、人の神経を逆なでる。環境ホラー映画であり、他の作品とは一味違う。勢いに乗っていますよ」と、フォックスの国内配給部上級副社長のクリス・アーロンソンは話した。海外興収も6200万ドルを記録し、すでに製作費の5500万ドルを回収できている。作品はフォックスとスパイグラス、そしてインドを拠点とするUTVモーション・ピクチャーズの共同出資だ。

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