
言葉では伝え難い人生讃歌を“食”で描く
食べることが重要な意味を持つこの映画。長崎俊一監督に、食と映画についてうかがった。まずは食を扱うシーンをどのように捉えたのか。
「うまそうに見えるということ(笑)。それから、料理からおばあちゃんの性格や暮らしぶりがうかがえること。キレイキレイにせず、ちょっと雑なんだけどおいしそうという線を狙いました。ちょっとおいしいということが、おばあちゃんが夜、『シーツに包まったとき幸せだなと思わない?』とまいに聞くのと同じように、日々のささやかな喜びが生命力を呼び覚まし、『生きるってことはそんなに悪いもんじゃない』という考え方になるわけです」
「うまそうに見えるということ(笑)。それから、料理からおばあちゃんの性格や暮らしぶりがうかがえること。キレイキレイにせず、ちょっと雑なんだけどおいしそうという線を狙いました。ちょっとおいしいということが、おばあちゃんが夜、『シーツに包まったとき幸せだなと思わない?』とまいに聞くのと同じように、日々のささやかな喜びが生命力を呼び覚まし、『生きるってことはそんなに悪いもんじゃない』という考え方になるわけです」
食を通して語るというのは、長崎監督の意図でもあり、原作者・梨木香歩氏の意図でもあった。
「食べるところも、料理を作るところにもそうだと感じました。ジャムを作るシーンは特に重用なエピソードで、シナリオ上でもボリュームを持たせ、また丁寧に撮るよう心がけました」
生命力を失いかけたまいに食べることの大切さ、大変さを教えていく作業は、まいだけでなく、映画を見ている観客にも生命力を与えていく。
「嬉しいですね。そう見てもらえればいいなと思っていました。でもそれを描くのが一番難しい。なぜなら言葉で伝えられるようなものではなく、食べたり、風に吹かれたりしながら感じるものだから。難しい作業でしたね」
では長崎監督にとって食とはなにか?
「人は食べずには生きていけないわけですよね。だからとても重要ではある。でも実際のぼくの生活は、食を楽しむなんてところから遠く離れている(笑)。でも楽しめたらいいなとは思いますね。病気になったらそれもできないわけですから」
「食べるところも、料理を作るところにもそうだと感じました。ジャムを作るシーンは特に重用なエピソードで、シナリオ上でもボリュームを持たせ、また丁寧に撮るよう心がけました」
生命力を失いかけたまいに食べることの大切さ、大変さを教えていく作業は、まいだけでなく、映画を見ている観客にも生命力を与えていく。
「嬉しいですね。そう見てもらえればいいなと思っていました。でもそれを描くのが一番難しい。なぜなら言葉で伝えられるようなものではなく、食べたり、風に吹かれたりしながら感じるものだから。難しい作業でしたね」
では長崎監督にとって食とはなにか?
「人は食べずには生きていけないわけですよね。だからとても重要ではある。でも実際のぼくの生活は、食を楽しむなんてところから遠く離れている(笑)。でも楽しめたらいいなとは思いますね。病気になったらそれもできないわけですから」
世代によっても、環境によっても見え方の異なる映画
長崎監督が演出しているときの視点は誰にオーバーラップしていたのか。
「最初は、年齢的にも、若い世代になにかを伝えていくという点でも、おばあちゃんの視点が出発点でした。でも撮っているうちに、おばあちゃんの言葉をまいの視線で感じられるように変わっていった。まいと一緒にいろいろな経験をしたからだと思います。まあ、自然を楽しむような生活をしてないので、余計まいに共感したのかもしれませんね(笑)」
おばあちゃんの生き方は理想ですか?
「実際にあの生活をおくるとしたらそれは大変ですよ。おばあちゃんの一日のタイムスケジュールを作ってみたんですが、よほどの心構えがないとできない。ぼくにはあの生活はできないけど、『生きることはそんな悪いものではない』と言えたり、感じたりできる生活は確かに理想かもしれません」
「最初は、年齢的にも、若い世代になにかを伝えていくという点でも、おばあちゃんの視点が出発点でした。でも撮っているうちに、おばあちゃんの言葉をまいの視線で感じられるように変わっていった。まいと一緒にいろいろな経験をしたからだと思います。まあ、自然を楽しむような生活をしてないので、余計まいに共感したのかもしれませんね(笑)」
おばあちゃんの生き方は理想ですか?
「実際にあの生活をおくるとしたらそれは大変ですよ。おばあちゃんの一日のタイムスケジュールを作ってみたんですが、よほどの心構えがないとできない。ぼくにはあの生活はできないけど、『生きることはそんな悪いものではない』と言えたり、感じたりできる生活は確かに理想かもしれません」
『西の魔女が死んだ』は、一見パーフェクトなおばあちゃんが孫に生き方を伝授するファンタスティックな再生物語に見えるが、実は底には登場人物それぞれの失敗や後悔、愛情などが奏でる、壮大で複雑なシンフォニーが流れており、それが映画をリアルにさせている。
「おばあちゃんがあまりにパーフェクトだったら、まいは話を聞かなかったかもしれないし、信じなかったかもしれませんね」
一見パーフェクトに見える。おばあちゃんなりの苦しみ、愛、それをどう受け止めるか。
「世代によっても、環境によってもまったく見え方の異なる映画なのかもしれません」
「おばあちゃんがあまりにパーフェクトだったら、まいは話を聞かなかったかもしれないし、信じなかったかもしれませんね」
一見パーフェクトに見える。おばあちゃんなりの苦しみ、愛、それをどう受け止めるか。
「世代によっても、環境によってもまったく見え方の異なる映画なのかもしれません」
長崎俊一 Shunichi Nagasaki 1956年神奈川県生まれ。日本大学芸術学部映画学科在学中に撮った『ユキがロックを棄てた夏』がぴあの自主制作映画展(現在のPFF)に入選。その卓抜した演出力が高く評価される。以後、『ロックよ、静かに流れよ』(88)『誘惑者』(89)『ナースコール』(93)『ロマンス』(96)『死国』(99)『8月のクリスマス』(05)など多くの秀作を発表。『闇打つ心臓 Heart, beating in the dark』(06)はロッテルダム国際映画祭のオープニングを飾り、『黒帯 KURO-OBI』(07)はモントリオール世界映画祭のコンペに正式出品された。
『西の魔女が死んだ』
●監督/長崎俊一 原作/梨木香歩 出演/サチ・パーカー、高橋真悠、りょう、大森南朋、高橋克実、木村祐一
●2008年/日本/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビーSRD/115分/6月21日から恵比寿ガーデンシネマほかにて順次日本公開
●配給:アスミック・エース
公式HP→http://nishimajo.com/top.html
『西の魔女が死んだ』
●監督/長崎俊一 原作/梨木香歩 出演/サチ・パーカー、高橋真悠、りょう、大森南朋、高橋克実、木村祐一
●2008年/日本/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビーSRD/115分/6月21日から恵比寿ガーデンシネマほかにて順次日本公開
●配給:アスミック・エース
公式HP→http://nishimajo.com/top.html























































