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日本人が足りない!? in ハリウッド

2008/01/30

5.英語力と演技力の両方を育む俳優学校を

 昔に比べ、日本で入手できるハリウッドの情報も増えた。実際に活躍している日本人の先駆者たちもいる。日本人俳優がハリウッドに挑戦していく新しいモデルケースとして、小山田のようなタイプは今後増えていくだろう。

 ハリウッドで成功する日本人俳優を生み出すために最も必要なのは、実は生きた英語と演技力の両方を身につけられる教育機関なのかもしれない。

 日本の義務教育における英語教育が読み書き文法を中心とし、会話やリスニングなどの点では実用的でないのは周知の事実だが、これについての急速な進化は難しいだろう。
 また、日本の芸能界では、モデルやタレントとして人気が出ると、いきなりドラマなどに出演することが多い。演技のバックグラウンドがあまりない日本人タレントが、しっかり演技の基礎を積んでいるのが当たり前な他国の俳優たちと同じ土俵に上がるのが難しいのは当然だろう。

英語しか受け入れず、門戸を狭め、
アメリカの映画文化は衰退している!?

ローレンス・ベンダー
ローレンス・ベンダー
 そしてもうひとつの問題は、ハリウッドそのものにある。

 『キル・ビル』『不都合な真実』などのプロデューサー、ローレンス・ベンダーは語る。「日本人俳優がハリウッドで活躍するには、英語の訛りをなくすことだ。アメリカ人は外国映画をあまり観ない。残念なことに、アメリカ人はアメリカ人が出ている映画が出ている映画が好きだから」

 また、前出の米バラエティ誌編集長ピーター・バートは、現在アメリカでは映画という文化が、かつてほど成熟していないという。
 「アメリカで何千館という規模で上映するには、英語作品である方がいい。恥ずかしいことだが、文化的作品や外国映画はかつてのようには受け入れられない。60年代にはクロサワの熱狂的ファンがたくさんいたが、今彼が映画をつくっていたら、彼でさえ難しいだろう。トリュフォーやゴダールなどもそうだ。アメリカの観客が変わらないといけない。ドラッグやロックや人種問題、すべての窓が開いていた60年代、70年代とは違う。今、アメリカでは映画という文化が成熟していない」

 ハリウッドは世界をアメリカ化し、アメリカ自身も世界への窓を閉じてしまったのだ。

「鳴らさない鐘は鳴らない」
小山田真の決意の強さ

 ハリウッドで成功することがはしごの一番上なのかどうかはその俳優の価値観しだい。他にも道はたくさんある。だが今回はそれぞれの思いでハリウッドに挑んでいる日本人俳優たちの姿を紹介した。現在ハリウッドにある日本への関心が一過性のもので終わるかどうかは彼らを含めたすべての日本の映画人にかかっている。

 ビデオインタビューが終わった後の雑談で、小山田真が話してくれた言葉が印象的だった。それは彼の祖母が、彼が小さい頃からいつも話していた「鳴らさない鐘は鳴らない」という言葉。小山田は常にこの言葉を胸に、前へ前へと進んでいく。大きな壁を乗り越える力は、案外いつもシンプルな気持ちから生まれるのかもしれない。

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