
ニュースの狭間
取材現場でふと目についたこと。毎日ニュースを報道していて、見えてきたこと。バラエティ・ジャパン編集部員が流れていく「ニュースの狭間」にあるトピックを取り上げ掘り下げていくコラム。エンタテインメント・ニュースから、世界が見えてくる。
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最近注目のスターが所有する制作会社

ドリュー・バリモアとジュヴォネン
最近、ハリウッドでは、ブラッド・ピットやトム・クルーズ、ジョージ・クルーニーなど、スター自身が所有する映画やテレビの製作会社の話題をよく耳にする。作品のクレジットからは、主演するだけでなくプロデューサーとしても名を連ねていることが見て取れる。しかし忙しいスターが主演しながら、実際に映画のプロデュースを手がけることなど出来るのだろうか。
実は、そんなスター・プロデューサーには、彼らを影武者のように支える共同プロデューサーの存在があった。
チャップリンの時代から、映画スターは映画の内容をコントロールするため、プロデューサーとしての役割も兼任してきた。しかし数年前まで、だれもその製作会社の存在を真剣に受け止めてはいなかった。映画会社は、スターの製作会社との取引を、スターのご機嫌取りのための手段として考えていた。しかし、最近その構図に変化が起きる。業界内でかなりの収益をあげるようになってきたためだ。
実は、そんなスター・プロデューサーには、彼らを影武者のように支える共同プロデューサーの存在があった。
チャップリンの時代から、映画スターは映画の内容をコントロールするため、プロデューサーとしての役割も兼任してきた。しかし数年前まで、だれもその製作会社の存在を真剣に受け止めてはいなかった。映画会社は、スターの製作会社との取引を、スターのご機嫌取りのための手段として考えていた。しかし、最近その構図に変化が起きる。業界内でかなりの収益をあげるようになってきたためだ。

下の3人がマルコヴィッチと、ハルフォン(女性)とスミス
たとえば、アダム・サンドラー、ウィル・スミス、トム・ハンクスの製作会社。実は彼らの会社はかなりの収益をあげている。デミ・ムーアの夫アシュトン・カッチャーが経営する製作会社には22人の社員が働いており、映画やテレビ番組のヒット作を立て続けに手がけている。ドリュー・バリモアの会社は8人、ジョン・マルコヴィッチの会社は4人の社員を雇用して仕事をしている。
しかし、表舞台で忙しいスターがすべてを仕切れるわけではない。
しかし、表舞台で忙しいスターがすべてを仕切れるわけではない。
スターの影武者ともいうべき共同パートナーの存在

ベン・スティラーとパートナーのスチュアート・コーンフェルド
そこで登場するのが、影武者ともいうべき共同パートナーの存在だ。その経歴はさまざまで、マネージャーや友人関係にあった人物もいれば、まったく無関係だった人物も。この共同パートナーという仕事は、映画業界への足がかりをつくるのにも適しているため、ハリウッドで非常に人気が高い。
アダム・サンドラーのパートナーであるジャック・ジャラプート、ウィル・スミスのジェイムス・ラシター、トム・ハンクスの ゲイリー・ゴーツマン、ベン・スティラーの スチュアート・コーンフェルドらは、彼らとパートナーになることで、業界から一目置かれるようになった。
「スターと一緒に映画をプロデュースする方が全然楽ですよ」と笑いながら話すのはベン・スティラーのパートナーのコーンフェルドだ。ベンが監督&主演する次回作“Tropic Thunder”を共同プロデュースしている。
「僕はインディーズ系映画のプロデュースを15年間やってきましたが、ベンのパートナーになってからの方が、楽に仕事が決まるんですよ」と本音で語る。
ちなみに2人は、共通の知人であるジェリー・スタールに紹介されるまで、なんの面識もなかったそうだ。
また、異なるケースとして、ジョン・マルコヴィッチの共同パートナーは、大学時代のルームメイトのラッセル・スミスと、同じ舞台出身のリーアン・ハルフォンだ。大学を卒業してから10年後にこの3人で設立したMr.Mudd Productions は、かなりの注目作を世に出している。テリー・ツワイゴフ監督の『ゴーストワールド』や、『JUNO/ジュノ』などが好例といえる。『JUNO~』のように、マルコヴィッチが出演しない作品も多く手がけている。
パートナーのハルフォンはマルコヴィッチを、「スターというよりも、製作パートナーと思っています。彼が出演できる作品について考えたりもしますが、それも映画のアイデアがかなり固まったあとにしか考えないですね」と語る。
アダム・サンドラーのパートナーであるジャック・ジャラプート、ウィル・スミスのジェイムス・ラシター、トム・ハンクスの ゲイリー・ゴーツマン、ベン・スティラーの スチュアート・コーンフェルドらは、彼らとパートナーになることで、業界から一目置かれるようになった。
「スターと一緒に映画をプロデュースする方が全然楽ですよ」と笑いながら話すのはベン・スティラーのパートナーのコーンフェルドだ。ベンが監督&主演する次回作“Tropic Thunder”を共同プロデュースしている。
「僕はインディーズ系映画のプロデュースを15年間やってきましたが、ベンのパートナーになってからの方が、楽に仕事が決まるんですよ」と本音で語る。
ちなみに2人は、共通の知人であるジェリー・スタールに紹介されるまで、なんの面識もなかったそうだ。
また、異なるケースとして、ジョン・マルコヴィッチの共同パートナーは、大学時代のルームメイトのラッセル・スミスと、同じ舞台出身のリーアン・ハルフォンだ。大学を卒業してから10年後にこの3人で設立したMr.Mudd Productions は、かなりの注目作を世に出している。テリー・ツワイゴフ監督の『ゴーストワールド』や、『JUNO/ジュノ』などが好例といえる。『JUNO~』のように、マルコヴィッチが出演しない作品も多く手がけている。
パートナーのハルフォンはマルコヴィッチを、「スターというよりも、製作パートナーと思っています。彼が出演できる作品について考えたりもしますが、それも映画のアイデアがかなり固まったあとにしか考えないですね」と語る。
スターの製作会社は彼らの主演を狙っていない!?

『JUNO/ジュノ』はマルコヴィッチがプロデューサーを務めた作品
ようやく認知度が上がってきた製作会社ではあるが、すべてが順調というわけではない。いまだに多くの映画会社やテレビ局の重役は真剣に受け止めていないし、エージェントの多くも、本当の理由は作品の主役を狙っているからだろうと内心思っている。そして共同パートナーといえども、スターを立てなくてはならないし、感情的な彼らの気質を上手に受け止めてあげなければならない。
ところが、パートナーたちはそれが苦にならないというタイプが多いようだ。むしろ、自分をアピールすることが苦手で、スターに映画会社の重役と直接話をしてもらった方が楽だと考える人が多い。取材したほぼ全員に同様の印象を受けた。パートナーであるスターと自社についてはじょう舌になるが、話題が本人のことに及ぶと寡黙になることが多かった。
ところが、パートナーたちはそれが苦にならないというタイプが多いようだ。むしろ、自分をアピールすることが苦手で、スターに映画会社の重役と直接話をしてもらった方が楽だと考える人が多い。取材したほぼ全員に同様の印象を受けた。パートナーであるスターと自社についてはじょう舌になるが、話題が本人のことに及ぶと寡黙になることが多かった。
最強タッグによるトム・クルーズの会社

ポーラ・ワグナーとトム・クルーズ
トム・クルーズの会社Cruise/Wagner Productionsが、スターが所有する製作会社の成功例の最たる例といえるだろう。93年、トムは当時CAAのエージェントだったポーラ・ワグナーを共同パートナーにむかえた。今では、この2人はハリウッドで最も強力なプロデュース・チームだ。
パラマウント・ピクチャーズの敷地内にあった2人のオフィスに足を踏み入れた瞬間に、その成功が感じられる。そこは、あのハワード・ヒューズやテレビドラマ「アイ・ラブ・ルーシー」のスター、ルシール・ボール、シェリー・ランシングといった大物たちのオフィスでもあった。オフィスの壁には、共同プロデュースした作品がずらりと並び、それぞれの興行成績が誇らしげに展示されてあった。
パラマウント・ピクチャーズの敷地内にあった2人のオフィスに足を踏み入れた瞬間に、その成功が感じられる。そこは、あのハワード・ヒューズやテレビドラマ「アイ・ラブ・ルーシー」のスター、ルシール・ボール、シェリー・ランシングといった大物たちのオフィスでもあった。オフィスの壁には、共同プロデュースした作品がずらりと並び、それぞれの興行成績が誇らしげに展示されてあった。
逆風の最中の船出を成功させたドリュー・バリモア

『エクセス・バゲッジ シュガーな気持ち』のプレミアでのアリシア・シルヴァーストーン・ファミリー
しかし、すべての製作会社が成功するとも限らない。
90年代の半ばには、映画会社は若手のスターとの契約を結ぶときにさまざまな特典をつけることが当然となっていた。そういった背景もあり、コロンビア・ピクチャーズは当時売れっ子だったアリシア・シルヴァーストーンのファーストキス・プロダクションズと3年のファーストルック契約を結んだ。しかし97年、同社がプロデュースした『エクセス・バゲッジ シュガーな気持ち』がアメリカで興行的に失敗。それ以降、スターの製作会社のイメージが悪くなってしまった。
ドリュー・バリモアのパートナー、ナンシー・ジュヴォネンは当時の様子をこう振り返る。「私たちがフラワー・フィルムズを設立したのは94年でした。当時は契約時にボーナス的な特典を受けることが大問題になっていた時期です。しかもその直後、『好いて好かれて』が公開され、より険悪な状況になってしまいました。だから私たちの会社はものすごい逆境からスタートしたのです」。
そんななか、2人が乗り越えなければならなかったハードルの高さは相当なものだった。当時、バリモアはまだ19歳。ジュヴォネンはプロデューサーとして未経験に近かった。
「『プロデューサーの仕事とは』というような内容の本を買ったぐらいですからね。その本のほとんどにマーカーで印をつけましたよ!」と笑いながら振り返る。
しかしその後、フラワー・フィルムズは『50回目のファースト・キス』や『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』のような大ヒット作で大成功を収める。全体の作品数のうちバリモアが出演しないものが3分の1ほどあるというから、プロデュース業に関して真剣だ。現在、同社はスターの製作会社として成功の模範になっている。次回作は“He’s Not That Into You”というロマンティック・コメディー。これも現在若い女性の間で人気の恋愛のハウツー本で話題作となるだろう。
90年代の半ばには、映画会社は若手のスターとの契約を結ぶときにさまざまな特典をつけることが当然となっていた。そういった背景もあり、コロンビア・ピクチャーズは当時売れっ子だったアリシア・シルヴァーストーンのファーストキス・プロダクションズと3年のファーストルック契約を結んだ。しかし97年、同社がプロデュースした『エクセス・バゲッジ シュガーな気持ち』がアメリカで興行的に失敗。それ以降、スターの製作会社のイメージが悪くなってしまった。
ドリュー・バリモアのパートナー、ナンシー・ジュヴォネンは当時の様子をこう振り返る。「私たちがフラワー・フィルムズを設立したのは94年でした。当時は契約時にボーナス的な特典を受けることが大問題になっていた時期です。しかもその直後、『好いて好かれて』が公開され、より険悪な状況になってしまいました。だから私たちの会社はものすごい逆境からスタートしたのです」。
そんななか、2人が乗り越えなければならなかったハードルの高さは相当なものだった。当時、バリモアはまだ19歳。ジュヴォネンはプロデューサーとして未経験に近かった。
「『プロデューサーの仕事とは』というような内容の本を買ったぐらいですからね。その本のほとんどにマーカーで印をつけましたよ!」と笑いながら振り返る。
しかしその後、フラワー・フィルムズは『50回目のファースト・キス』や『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』のような大ヒット作で大成功を収める。全体の作品数のうちバリモアが出演しないものが3分の1ほどあるというから、プロデュース業に関して真剣だ。現在、同社はスターの製作会社として成功の模範になっている。次回作は“He’s Not That Into You”というロマンティック・コメディー。これも現在若い女性の間で人気の恋愛のハウツー本で話題作となるだろう。
ベン・スティラーとアシュトン・カッチャーの会社

アシュトン・カッチャーとジェイソン・ゴールドバーグ
ベン・スティラーとコーンフェルドのレッド・アワー(Red Hour)も(社員10人)、ベンが出演・監督をしない映画も多くプロデュースするという。ウィル・フェレル主演の『俺たちフィギュアスケーター』やホラー映画“Ruins”などが代表例だ。
「僕たちはメガホンを取るのは初めてという監督と仕事をするのが好きですね」と語るコーンフェルド。上記2作と『ドッジボール』の3作品も初監督との仕事だそうだ。ベン自身に監督経験があるので、監督デビューの新人を支えることが出来るという利点もある。
アシュトン・カッチャーのKatalyst Filmsに関しては、カッチャーが出演する作品ほぼ全てを製作すると、共同パートナーのジェイソン・ゴールドバーグは語る。
「カッチャーが出演するということを前提に作品を選びますね。また、彼のキャリアのためになるということも大切です」。
02年からカッチャーのパートナーとなったゴールドバーグは、「弊社は映画スターが共同パートナーですが、もっと大きなことを目指しています」と語る。事実、この会社のテレビ部門は“Punke’d”や“Beauty and the Geek”などの人気テレビドラマを製作している。その成功により、意外にもカッチャーはハリウッドで現在1番収入の多い業界関係者となっている。
ゴールドバーグとカッチャーは、大手の映画会社との関係よりも、Katalyst自体のブランド力を上げることに執心してきたそうだ。そうであっても現在、ソニーと映画の契約があるうえ、CBSやパラマウント、Fremantleとテレビ番組の契約もある。
「目先のことにとらわれたくなかったのです」とゴールドバーグ。「多くの製作会社は映画会社の力を借りて映画をつくろうとします。でも、それをやると、たいてい何もスタートしない。僕たちは会社を設立した時に、それについて話し合いました。長い間インディーズ系の製作方法でやってきたのもそういった理由からです」。
「僕たちはメガホンを取るのは初めてという監督と仕事をするのが好きですね」と語るコーンフェルド。上記2作と『ドッジボール』の3作品も初監督との仕事だそうだ。ベン自身に監督経験があるので、監督デビューの新人を支えることが出来るという利点もある。
アシュトン・カッチャーのKatalyst Filmsに関しては、カッチャーが出演する作品ほぼ全てを製作すると、共同パートナーのジェイソン・ゴールドバーグは語る。
「カッチャーが出演するということを前提に作品を選びますね。また、彼のキャリアのためになるということも大切です」。
02年からカッチャーのパートナーとなったゴールドバーグは、「弊社は映画スターが共同パートナーですが、もっと大きなことを目指しています」と語る。事実、この会社のテレビ部門は“Punke’d”や“Beauty and the Geek”などの人気テレビドラマを製作している。その成功により、意外にもカッチャーはハリウッドで現在1番収入の多い業界関係者となっている。
ゴールドバーグとカッチャーは、大手の映画会社との関係よりも、Katalyst自体のブランド力を上げることに執心してきたそうだ。そうであっても現在、ソニーと映画の契約があるうえ、CBSやパラマウント、Fremantleとテレビ番組の契約もある。
「目先のことにとらわれたくなかったのです」とゴールドバーグ。「多くの製作会社は映画会社の力を借りて映画をつくろうとします。でも、それをやると、たいてい何もスタートしない。僕たちは会社を設立した時に、それについて話し合いました。長い間インディーズ系の製作方法でやってきたのもそういった理由からです」。
スターのパートナーになるメリット
「人気の高いスターと仕事をすることは大変な利点がある」と語るのは、マルコヴィッチのパートナー、ラッセル・スミス。「映画会社にかけた電話の返事がすぐに返ってくるんです」と笑いながら答える。「スターの会社と映画会社と契約が決まりやすいのは、映画会社は自分たちの手元に抱え込んでおきたいからです。特にプロデューサーとしてね。だから、映画会社と契約を結びたいのなら、本物のスターをゲットすることですよ!」と語った。
競争が激しいハリウッドで、大手映画会社と対等にビジネスするためにはこれも1つの手段。スターと影武者の関係はこれからもまだまだ増えるだろう。
競争が激しいハリウッドで、大手映画会社と対等にビジネスするためにはこれも1つの手段。スターと影武者の関係はこれからもまだまだ増えるだろう。






















